シューカツ男子に美の指南 化粧品大手や理容業界
マイナビ主催の合同企業説明会では、資生堂の社員がさわやかに見える髪の整え方を指導した=東京都江東区 |
【米谷陽一】大手化粧品会社や理容業界が就職活動中の男性に注目している。就職情報会社と提携して商品をPRしたり、就活用の髪形を売り込んだり。「就活男子」の心をつかめるか。
資生堂はマイナビと手を組む。2014年春に卒業する大学3年生向けの合同企業説明会に理髪店を模したブースを出し、洗顔や眉の整え方を実演。資生堂の会社説明はせずに、商品のアピールに徹する。
女子向けのメーク講座は以前からあったが、男子向けは初めて。広報担当者は「就職したら奇抜な髪形や無精ヒゲは許されない。身だしなみを気にかけるきっかけになれば」と話す。
リクルートと提携するのは花王だ。昨年12月の合同説明会では、男性用の洗顔料や化粧水の試供品を初めて配った。商品開発担当幹部は「男性は一度商品を気に入れば浮気しない。今がチャンス」という。
大学3年生の就職活動の解禁は昨年12月。夏にかけて、大規模な合同説明会が予定されている。
化粧品各社が男子に目を向けるのは、男性用化粧品の売り上げ増が見込めるからだ。調査会社の富士経済によると、12年の化粧品市場は2兆2769億円で前年比0.2%増。男性向けは1008億円と規模は小さいが、同1.3%増と全体の伸びを上回る。
若者の理容院離れに悩む理容業界も就活に期待する。全国理容生活衛生同業組合連合会は、耳や眉に髪がかからないようにしたカットを「就活ヘア」と名付けた。昨年から理容師向けの講習を開き、大学にポスターを配って浸透をはかる。数種類のスタイルを載せたカタログを店におき、学生に選んでもらう。
厚生労働省の調査によると、全国の美容院はここ10年で11%増えたが、理容院は6%減。連合会の幹部は「カットの技術は理容師が上。美容院に流れていたお客を取り戻したい」と話す。
asahi.com 2013年1月6日
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