宇宙育種を専門家が解説:放射線の心配は無用
宇宙育種とは一体何か?宇宙育種によって生産された食品の安全性に今、注目が集まっている。
▽宇宙船への搭載は宇宙育種の第一歩
国家宇宙飛行育種プロジェクト首席科学者、中国農業科学院作物科学研究所宇宙育種センター主任の劉録祥氏は、「宇宙育種とは、宇宙の微小重力や放射線といった環境を利用し、生物の遺伝子に変化をもたらすというもので、突然変異が生じた種を地上に持ち帰った後、専門家による育成・選別などを経て、新たな品種を作り出す」と語る。
▽宇宙育種による農作物の変化は様々
劉氏によると、宇宙育種を経た農作物の一部は果実が大きくなるが、これは性質を制御する遺伝子の様々な変化のうちの1つであり、作物の色や形、味なども変化する可能性があるという。「これまでに100種類あまりの品種を審査したが、様々な変化が見られた。宇宙育種を経た農作物を育成すると、性質も一部変化するが、変化はランダムに生じるため、コントロールすることはできない。宇宙育種を経た品種で果実が大きいものがあるが、これはそのような特徴のみを保留し、審査を経て販売しているということだ」。