モバイル決済 中国国家標準が来年5月より施行
携帯電話をかざすだけで、公共交通、スーパーの買い物、水道・電気・ガス料金の手軽な支払いが可能となる--。
携帯電話をかざすという情報時代の産物は、なにも新鮮な事物ではない。スマートフォンの登場から、モバイル決済に関するメディアの報道を時おり耳にし、目にするようになった。しかし同機能は普及が進んでおらず、実際の利用者が少ないという状態に留まっている。業界関係者はその原因を、統一的な国家基準の不足と分析した。科技日報が伝えた。
中国国家標準化管理委員会はこのほど、来年5月1日より施行されるモバイル決済国家標準を発表した。これにより、同標準に関する全ての噂話にピリオドが打たれた。同委員会の方向・副主任は、「同基準にはモバイル決済の無線周波数、チップ、機器、マルチアプリケーション管理・安全、試験方法などの基礎技術的な内容が含まれ、モバイル決済商品の相互運用性を確保した」と指摘した。
モバイル決済国家標準の起草者の一人、中国電子技術標準化研究院高級エンジニアの耿力氏は、「統一的なモバイル決済標準の発表と施行に伴い、さまざまな商品プランの発表が収束に向かい、市場がさらに規範化され、混乱の局面が改善されるだろう」と語った。
耿氏は次のように指摘した。
国家標準の発表により統一的な枠組みが生まれ、モバイル決済産業の発展方向が明確にされ、事業推進およびサービス提供環境の構築が加速される。モバイル決済は高度発展期に入るだろう。モバイル決済は国民生活の便利なサービス、NFC(近距離無線技術)消費、通信販売などの重要なサービス内容と関連している。モバイル決済は産業融合を方針とし、各方面の優秀な資源を統合し、一枚のチップでさまざまな用途を実現することを理念とし、公共交通・社会保険・医療・金融商品などへの応用を徐々に拡大する。さまざまな革新的な使用方法は、消費者により多彩な暮らしをもたらし、サービスをより簡単・便利・迅速に利用できるようにする。
各分野に関連する総合決済システムであるため、モバイル決済は産業チェーン内に多くの企業を収め、業務提携モデル・運営モデルが多種多様となる。産業チェーンの各企業は協力することで、産業全体を強化し、ウィンウィンを実現できる。これらの国家標準の施行により、モバイル決済産業の健康的で秩序ある力強い発展が促される。人々は同技術が暮らしにもたらす利便性を実感することができるだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年11月13日