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中国の世界最大の望遠鏡、専門家が詳細に説明

 2014年04月22日13:31
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 中国が建造中の、世界最大の口径を誇る球面電波望遠鏡が、貴州省黔南プイ族・ミャオ族自治州平塘県でリングビームの設置を完了した。同望遠鏡の口径は500メートル、敷地面積はサッカースタジアム約30個分に達する。同プロジェクトは、2016年9月に竣工を予定している。本紙は20日、この世界最大口径の望遠鏡を建設するプロジェクトの進展、建設場所、将来的な科学研究の用途を巡り、中国科学院国家天文台射電部の首席科学者である李氏を取材した。環球時報が伝えた。

 李氏はプロジェクトの進展について、「口径500メートルの球面電波望遠鏡(略称はFAST)は、2007年末に正式にプロジェクトが立案され、2011年3月に着工された。建設期間は5年半に達し、2016年9月に稼働を始める見通しだ。リングビームの設置は同プロジェクトの非常に重要な部分で、その後はパネルの敷設や架設といった一連のプロセスを経る。同プロジェクトは現在、順調に進められている」と説明した。

 建設場所に貴州省のカルストを選択した理由について、李氏は「貴州省にはカルストによって自然に形成された窪地がある。このような自然の地形は、望遠鏡の建設に適している。地形のメリットの他、電波望遠鏡は世界で現在、主に電波による妨害という課題に直面している。この妨害は主に携帯電話、レーダー、衛星の信号で(特にGPS)、その強度は宇宙からの信号を大幅に上回る。貴州省の山の多い地形により、これらの人為的な信号の妨害をある程度防ぐことができる。貴州省は中国のその他の地区と比べ人口が少なく、これらの妨害が弱くなる。プロジェクト竣工後、電波保護区域は5−10キロの範囲内となる」と指摘した。

 李氏は、「FASTが竣工するまでは、米国の口径300メートルの望遠鏡『アレシボ』が世界最大となる。FASTの当初の目標は、感度の面で米国の同望遠鏡を超えることだった。FASTも米国の望遠鏡も、全体が地面に固定される。しかし中国の口径500メートルの球面は、4400枚以上の自動反射ユニットによって構成される。一つ一つの反射ユニットは、焦点調整が可能だ。ゆえにFASTの感度はアレシボの2倍、天文観測速度はアレシボの10倍に達する」と話した。

 これほど大きな望遠鏡で何ができるのだろうか、まさか宇宙人を観測するのだろうか?李氏は記者のこの質問に対して、「それはFASTの科学目標の1つに過ぎず、主な科学目標ではない。ヒッグス粒子を発見した設備と同じく、FASTの主な目標は短期間内の経済効果ではなく、宇宙の奥深くにある信号と物質の探査(宇宙空間の気体、マイクロ波、パルサーなど)だ。宇宙の物質成分および変化の歴史に関する最も基本的な理解を深めることで、未知の宇宙に対する人類の好奇心を満たす。FASTは同時に、地球外の文明や生物の観測にも使用できる」と述べた。

 李氏は、「FASTは世界の同類の設備に対して、20年以上リードを維持することができる。世界では現在、同クラスの大型電波望遠鏡の建設を計画している国はない。FASTは中国がようやく手にした世界トップの技術指標、独自の知的財産権を持つ大型科学設備だ」と語った。(編集YF)

 「人民網日本語版」2014年4月22日

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