07年開催の第10回上海国際映画祭で審査委員を務めた行定勲監督は今年再び新作「円卓こっこ、ひと夏のイマジン」を携えて上海国際映画祭を訪れ、新作上映後、映画ファンに向けてティーチインを行った。華西都市報が伝えた。
恋愛映画「世界の中心で、愛を叫ぶ」などで知られる行定監督は、今年の上海国際映画祭の審査委員の1人である岩井俊二監督と同様、中国と浅からぬ縁を持つ。最新作「真夜中の5分前」も、中国で撮影された。同映画は、日本の人気俳優・三浦春馬や中国の人気女優・劉詩詩(リウ・シーシー)、シンガポール出身の俳優・張孝全(ジョセフ・チョン)らが共演し、上海を舞台に双子の姉妹と2人の男性を巡る複雑に絡み合った恋愛ミステリーを描いている。
行定監督はティーチインで、「GO」、「世界の中心で、愛を叫ぶ」、「北の零年」、「パレード」といった代表的な監督作品を振り返った後、初の中国ロケを行った最新作「真夜中の5分前」についても心おきなく語った。また、「もし機会があれば、中国で長い期間アルバイトをしてみたい」と語り会場を沸かせた。
自身の映画界のキャリアを紹介する下りでは、ある知られざるエピソードも披露した。「母親は私が会計士になることを望んでいたが、子供の頃から計算が苦手だったため、親に隠れてこっそり映画の勉強をしていた」。その後、岩井俊二監督の下で助監督などを7年間務めた後、映画監督としてデビューする。監督という職業について、行定監督は、「映画監督になっていなかったら、恐らく農民になっていただろう。なぜなら、農民も映画監督も天を見上げ、天に頼って飯を食う職業だからだ」と語った。
当時行定監督が撮影した純愛映画「世界の中心で、愛を叫ぶ」は当時日本で興行収入85億円を上げる記録的な大ヒットとなった。恋愛映画の名手として有名な行定監督だが、自身の好きな恋愛映画については次のように語った。「陳可辛(ピーター・チャン)監督の『ラヴソング』や王家衛(ウォン・カーワァイ)監督の『恋する惑星』の2作品が個人的に最も好きな映画であり、アジアを代表する恋愛映画だと思う」。(編集MZ)
「人民網日本語版」2014年6月24日