中国自動車市場の高級車メーカーによると、入門クラス車を絶えずうち出し、ミドルクラス車市場をつかみ、製品のラインナップを拡充し、生産・販売台数を引き上げたい考えだという。2014年上半期の各メーカーの統計データをみる限り、こうした戦略はうまくいっている。
アウディを例に取ると、上半期に中国で26万8700万台を売り上げ、前年同期比17.8%増加した。この販売台数はアウディの世界販売台数の31%を占めている。新たにミドルクラス車市場向けにうち出したA3とQ3が成長を支える主力になっている。
中国市場で早くから戦いののろしが上がったミドルクラス車は、高級車の入門クラス車の絶え間ない参入によって、ますます激しい競争を展開するようになった。これと同時に、トヨタ、VW、ホンダ、日産などのブランドが柔軟な戦略を採り、ミドルクラス車市場での伝統的な強みを固め、拡大しようとしている。
一方で、ミドルクラス車市場の「伝統的人気車」が製品のリニューアルやバージョンアップのペースを速めており、昨年以降では、ティアナ、アコード、モンデオなどのミドルクラス車が続々とバージョンアップを行い、新製品は外観、内装、エンジンの配置などを大きく向上させている。
また一方で、これらのメーカーはスマートカーや新エネルギーなどの分野で「新天地」を求め始めており、高級車メーカーと競合しないようにしている。VWが新たにうち出したブルーモーション技術を採用した車種、カムリのハイブリッドカーなどは、徐々に市場シェアを獲得している。
ミドルクラス車の販売マネージャーの陳思陽さんは、「メンテナンスの面などで、高級車の価格は確かにかなり高く、これはわれわれミドルエンド車を取り扱う者にとっては別の強みだといえる」と話す。
業界関係者によると、自動車先進国の経験を踏まえると、自動車保有台数における高級車の割合は15%前後が妥当だが、中国は目下7%前後で、市場には大きな潜在力がある。未来のミドルクラス車市場では、高級車の入門クラス車がもたらした競争が継続する見込みという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年7月22日