華北地区は中国で常に「最も乾いた」地域の一つになっており、水不足を改善するため、海水淡水化技術が議題に上げられている。中国科学技術協会が7月22日に開いた、科学者とメディアの交流イベントにおいて、専門家は「海水淡水化技術が北京・天津の水不足を解決する」との見方で一致した。光明網が伝えた。
◆海水淡水化、コスト削減の取り組み
中国国家海洋局の阮国嶺チーフエンジニアは、「中国の海水淡水化プロジェクトは1950年代に始まった。しかし1998年頃まで、このプロジェクトが社会の各界から重視されることはなかった」と指摘した。
既存の技術条件によると、中国は1トンの海水を淡水化するため3.2kWhの電力を必要とする。このコストは、以前より大幅に削減されている。生産技術の改善と材料の機能改善により、海水淡水化のコストはさらに削減される可能性がある。
中国の海水淡水化規模は毎日約100万トンほどで、世界の1日平均8000万トンという規模との間には大きな開きがある。阮氏は、「中国は逆浸透膜などの知的財産権が少なく、材料面では海外の技術支援に依存しなければならない」と語った。
杭州水処理技術研究開発センターの王寿根副センター長は、「海水淡水化の市場規模をさらに拡大しなければならない。これには社会の協力が必要だ。中国の海水淡水化技術は10数年前に実践に移されている。例えば四川省ジョウ泗(ジョウは山+乗)などの地区の水は、海水淡水化によって得られている。これは現地の市民生活を便利にしている。北京・天津・河北省では、曹妃甸の海水淡水化プラントが一定規模に達しており、技術も比較的先進的だ。しかし現時点では企業の使用が中心となっており、生活用水に使われていない」と指摘した。
海水淡水化技術には、高い将来性がある。中国国内では海水淡水化のみに従事する企業は少ないが、海水淡水化に対する意欲は高い。これは水処理の基礎的な技術である海水淡水化の発展を実現すれば、その他のプロジェクトにも活用できるからだ。専門家は、「海水淡水化産業が一定規模になれば、沿岸部の産業構造調整を力強く促進するはずだ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年7月25日