中国銀行とオーストラリア証券取引所が共同開発した人民元決済システムが28日、オーストラリアで「試運転」に成功した。これにより、人民元はオーストラリアの決済システムに初めて組み込まれた外貨になった。
中国銀行シドニー支店がこのシステムの人民元決済銀行になり、オーストラリア国内外の顧客に人民元建ての決済サービスを提供するとともに、人民元建ての債権発行、取引、先物取引といった金融派生商品(デリバティブ)の決済などのサービスを段階的に提供していく。オーストラリア準備銀行(中央銀行)のフィリップ・ロウ副総裁はさきに、「他のオフショア機関に比べ、公的な決済銀行は中国のオンショア人民元市場およびオンショア外貨市場に進出するルートをより直接的に提供することが可能だ」と述べた。
中国はオーストラリア最大の単一の輸出市場であり、毎年の二国間貿易における流動資金は1410億ドル(約14兆3622億円)に達するが、現在の両国間の商品貿易額における人民元建て決済の割合は1%に満たず、発展の余地は大きい。人民元建て決済銀行が決まったことにより、顧客の取引コストの引き下げや支払いの遅れの減少につながるとみられる。オーストラリアの人民元建て決済システムの発足は、人民元国際化がオーストラリアで重要な一歩を踏み出したことを意味し、両国の貿易・投資協力を一層便利にし、オーストラリアのオフショア人民元市場の発展やオフショア人民元センターの建設を推進することになる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年7月29日