中国からシンガポールへ、初の人民元の国境を越えた現金輸送が9日、広東省広州市でスタートした。中国広播網が伝えた。
中国-シンガポール間の人民元現金輸送業務が行われるようになると、シンガポールや東南アジア地域は中国工商銀行シンガポール支店に開設した決済口座を通じ、人民元の現金を直接預け入れたり引き出したりできるようになる。他の通貨との現金両替の必要がなくなり、提携行の送金コストや為替レートのリスクが軽減されるほか、シンガポールの人民元市場における現金の会計処理費用が引き下げられる。業界関係者によると、中国・シンガポール間に人民元の現金供給・回収ルートが構築されれば、中国とシンガポールはもとより、中国と東南アジア諸国との経済貿易往来や経済金融協力が一層深まり、「海の金融シルクロード」構築に新たな内容が加わることになるという。
中国人民銀行(中央銀行)貨幣金銀局の李会鋒副局長が9日に述べたところによると、工商銀の広州からシンガポールへの現金輸送ルートは決済行モデルの下での初の人民元の国境を越えた現金輸送ルートであり、国境を越えた人民元関連業務の発展に積極的で深い影響を与えることは確実だという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年7月9日