国務院は30日、「戸籍制度改革のさらなる推進に関する意見」(以下、「意見」)を公布し、都市・農村統一の戸籍登録制度を構築し、農業戸籍と非農業戸籍の区分とこれから派生する「青印戸籍」(他省戸籍保持者に青色のスタンプを押して当該市の常駐戸籍と同一とみなす特例措置)などの戸籍の類別を取り消し、住民戸籍として統一登録する措置をはっきりと打ち出した。中国で半世紀以上実施されてきた「農業」と「非農業」の二元的な戸籍管理モデルは歴史の舞台から姿を消すこととなる。新華網が伝えた。
「今回の戸籍制度の改革は、決心の大きさ、強度の高さ、範囲の広さ、措置の実質性のどれを取っても前代未聞のものだ」。公安部の黄明・副部長は同日行われた記者会見でこう述べた。「意見」は今後しばらくの間、全国戸籍制度改革を指導する綱領的文書となり、この重大改革は全面的な実施段階へと入ることになる。
「農業」と「非農業」とで戸籍の性質を区分するのをやめた後は、戸籍と関連付けられた多くの社会福祉制度をいかに新制度へと移行していくかが改革の焦点であり、難点でもある。「意見」はこれについて、「戸籍移行政策のさらなる調整を進め、都市・農村戸籍登録制度を統一し、住民証制度を全面的に実施し、国家人口基礎データベースの構築と共有を加速し、義務教育・就業サービス・基本年金・基本医療衛生・住宅保障などの都市基本公共サービスによる全常住人口のカバーを着実に進める」としている。
「意見」は発展目標として、「小康社会」(ややゆとりのある社会)の全面的構築に適合した、社会管理と公共サービスを効果的にサポートする、国民の権利を法に基づいて保障する、「以人為本」(人を基本とする)で科学的・効率的・規範的な新型戸籍制度を2020年までにほぼ確立し、1億人前後の農業移転人口とその他の常住人口の都市定住の実現に努めることを掲げている。
中国では1950年代以来、都市の住民に一定の食糧を供給することを目的に、「農業戸籍」と「非農業戸籍」を区分し、二元的な管理制度を実行してきた。この制度は特定の歴史的環境下では、労働力や消費物などに対する国家の計画分配の必要性に適合し、都市と農村の経済と社会の発展促進に一定の役割を発揮した。だが社会主義市場経済の確立に伴い、農村の余剰労働力が都市に移って仕事や商売をするようになり、農業以外の産業に従事する人員が急増したため、二元的な戸籍管理モデルは経済社会発展の客観的な要求に適合しなくなっていた。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年7月31日