2014年6月30日  
 

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アベノミクスの3本目の矢、どこまで飛べるか?

人民網日本語版 2014年06月30日08:16

日本政府はこのほど、議論を重ねてきた「経済財政運営と改革の基本方針」と呼ばれる新たな経済政策を発表した。これはアベノミクスの「3本目の矢」と呼ばれている。経済日報が伝えた。

新たな経済政策の着眼点は、日本の産業競争力の強化だ。そのうち注目を集めているのは、近年物議を醸している法人税改革だ。日本の経済界と経営者は日本の高すぎる法人税に苦しめられており、中国や韓国の約25%の税率を引き合いに出し、日本企業には競争力がなく、中韓にならうべきと主張した。新政策は今後数年、現行の35%の税率を20−29%に引き下げることを決定した。もう一つの注目点は、「国家戦略特区」だ。新政策は日本の5地域を「戦略特区」に指定し、その中で他の地域と異なる優遇政策を実施し、海外の投資を引きつける。また積極的な措置による人口減少と高齢化への対応、女性の就職支援、企業の給与制度および農業組織の改革などが発表された。これは新政策がすべての病気によく効く「処方箋」であるという印象を与える。

安倍政権が今回発表した新たな経済政策は大規模に見えるが、過度に評価するべきではない。新政策のほとんどは方針を示す原則的な枠組みばかりで、内容が空虚であり、日本経済を刺激する効果は限られている。歴代7内閣は見栄えのよい戦略的な経済政策を制定したが、そのほとんどが中途半端に終わった。一部にいたっては発表されたばかりで内閣が崩壊し白紙になった。人々が注目していた法人税の問題について、安倍内閣は企業から意見を募ると同時に、過度な減税に反対する財政部門の主張に気を配り、「今後数年間で段階的に実施」という記述で言葉を濁し、税率を20−29%とした。こうすれば日本政府はさまざまな措置により、減税を遅らせることが可能だ。安倍首相が退陣すれば、減税の承諾も棚上げにされる可能性がある。その他の多くの政策も原則的なレベルに留まっており、具体的な措置と実施の方法がない。日本のメディアと一部のエコノミストは、新政策は今後の政策調整に十分な余地を残しており、具体的に実行する中で当初の目標から外れると判断している。

安倍首相がこの時期に発表した新たな経済政策は、日本経済の深い問題の解決を目指しているというよりは、安倍政権が構造問題にメスを入れる決意をしたという情報を市場に送り、市場の期待感を高め、投資家の欲望を刺激し、企業の投資と株価上昇を促そうとしたと言える。新政策の象徴的な意義は実質的な意義を上回る。市場はその実行性の方を重視しているため、新政策が発表された当日の日経平均株価は107円下落し、市場の投資家の失望が示された。安倍首相の3本目の矢は幸先の良いスタートを切ることができなかった。矢がどこまで飛べるかは、疑問視せざるを得ない。(編集YF)

「人民網日本語版」2014年6月30日

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