蘭州大学(甘粛省)が発表した情報によると、青海湖の南岸での発掘作業により、古人類の活動を示す2つの異なる時期の遺跡が発見された。現在から約1万5000年前、および約8500年前に青海湖付近で人類が活動し、野生の動植物の狩猟と採集を中心とした生活を送っていたと見られる。光明日報が伝えた。
今回発掘された151の遺跡は、青海省考古文物研究所が国家文物局に申請し、正式に許可を得た2014年度考古学発掘プロジェクトにより発見されたもので、青蔵(チベット)高原北東部の青海湖南岸に位置する。発掘面積は25平方メートル、深さは3.4メートル。多くの石器、動物の骨、炭のくずが発見され、多くの年代特定・浮遊選鉱・環境特定のサンプルが見つかった。
過去の研究と今回の発掘状況によると、151の遺跡は2つの異なる時期のもので、それぞれ約1万5000年前と約8500年前に集中していた。前者は短期的な狩猟の駐留地、後者は人類活動が活発な中心的な拠点だったとみられる。チベット高原は当時、標高の高い寒冷地で、現在の気候的特徴と相似する。当時の人類の生活方式は、野生の動植物の狩猟と採集が中心だった。彼らには定住地がなく、動物の移動の習性に基づき、季節ごとに高原を移動し狩りを行っていた。
研究者は現場で見つかった大量の動物の骨から、当時の古人類は羊や鹿などの中型動物、鼠や兎などの小型動物を捕まえ生活していたと推測した。
今回の発掘調査により、チベット高原の紀元前の人類活動の歴史がより明らかになった。同調査は紀元前の人類がいつ、どのような方法によりチベット高原に移り、高原の薄い酸素と極寒にいかに適応したかといった国際的に注目されている問題に、豊富な研究材料を提供した。また高原の狩猟・採集経済から農業・牧畜経済への移り変わりの研究に対して、重要な情報をもたらした。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年11月19日