今月北京で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)非公式首脳会議で、安倍晋三首相は、中国の習近平国家主席と、念願の中日首脳会談を3年ぶりに実現させた。これにより、マイナス成長が続いている日本の経済を中国人観光客が支えてくれるようになるのではと、日本の観光業界は期待している。
もう一つの中国の隣国、韓国はその状況を黙って見ているわけにはいかない。「韓流」や美容整形旅行などの人気を背景に、韓国のインバウンド客のうち、中国人が半数を占めるようになっている。この「金の成る木」をめぐって、日本と韓国が今、火花を散らしている。
太田国交相が自ら観光PR
上海で16日に開催されたアジア最大の国際観光博覧会「2014中国国際観光交易会」で、中国国家旅游(観光)局の李金早・局長は、日本の太田昭宏国土交通相と会談した。太田国交相は、日本の新幹線や観光を積極的にPRした。
太田国交相は、「中国市場は急速に成長している。これまで、日本を訪問する中国人観光客の主な目的地は東京や大阪などだったが、近年は北海道や神戸、奈良などの地域に広がっている」としている。
日本が17日に発表した今年7-9月期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で1.6%減で、2期連続のマイナス成長となった。アベノミクスが正念場を迎えている今、中国人観光客が日本の経済を支えている形となっている。