(4)ウクライナ クリスマスツリーに蜘蛛の巣を飾って幸せを願う
ウクライナでは、クリスマスツリーに蜘蛛の巣を飾ることが現地の習慣となっている。一見奇妙に思うが、現地の伝説を聞けば、この習慣を理解できるかもしれない。昔、貧しい母親が子供と共に、暗く冷たい小屋の中に住んでいた。ある日、子供は1年を通してずっと葉が青いままの木を見つけ、クリスマスツリーにしたいと思った。だが、ツリーを飾るものなど何もない。夜、嘆き悲しむ母親を見て、心優しい蜘蛛がその痛ましい様子を見るに堪えられず、木の上に非常に美しい蜘蛛の巣を張った。翌日の朝、蜘蛛の巣は太陽の光に照らされ光り輝いていた。その日から、この母親は2度と人の助けを請うことはなかった。