2014年12月4日  
 

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人民網日本語版>>中国法教室(101回〜)

【第145回】ジョンソン&ジョンソン再販事件VS粉ミルク価格操作事件

<中国法教室>

人民網日本語版 2014年10月28日14:00

今回、中国独禁法上の最新司法判決及び行政処罰裁決を解説する。実は、そのいずれも詳しく説明するならば、論文書けるほど検討すべき問題点が多く存在しているが、本稿では、できるだけ個人の意見を控え、垂直類カルテルへの判断基準に関する裁判所及び行政機関の相違態度の比較を通じて、現時点の法執行機関の実務現状のみを提示する。

2013年8月初、中国独禁法上の一里塚とも言える二つの事件が発生した。一つは、ジョンソン&ジョンソン再販事件に関する上海高院の終審判決であり、これは、中国独禁法実施後に原告側が初めて終審で勝訴した垂直類カルテル判決である。もう一つは、中国メーカーの合生元、米ミード・ジョンソン及び日本明治社など乳製品企業6社の垂直類カルテルに関する発改委の行政裁決である(合計106億円)。

一、ジョンソン&ジョンソン再販事件に関する終審判決

事件の背景につき、事件概要

事件の発端は、以下の通りである。

北京鋭邦がジョンソン社の決めた最低販売価格以下の価格で製品を販売した行為及び越境販売行為が契約違反として、ジョンソン社が北京鋭邦に対し、代理権の取り消し及び製品供給の停止という懲罰的措置を取ったことである。これに対し、北京鋭邦はジョンソン社との契約の中の再販条項等が反壟断法第14条に違反し、ジョンソン社の懲罰的措置によって、人民元1,439.93万元の損害を被ったとして上海第一中級人民法院に提訴した。

上海第一中級人民法院は、2012年5月18日に「……第14条が規定した独占的協定の認定については、事業者がその取引相手と、再販売価格を固定もしくは限定する協定を締結したことのみをもって判断すべきではなく、その他に、同法第13 条2項の規定内容、すなわち、当該協定が競争を排除し、又は制限する効果があるか否かを合わせて考察する必要がある。本件において……具体的に言えば、販売契約条項に関連する製品が関連市場における占有率、関連市場の川上・川下での競争の程度、当該条項が製品供給量及び価格に対する影響の程度などの要素を考察してはじめて、正確な結論を得ることが可能である」、「しかし、原告が関連する証拠を十分に提出しなかった」という判旨内容を提示し、北京鋭邦の請求を棄却した。


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