世界銀行は12月19日に発表した報告書の中で、中国内陸部の高速鉄道の運行状況について、その将来性に期待できると表明した。世界銀行は今年7月、中国の高速鉄道の建設費用は世界で3番目に低いと評価していたが、このたび世界で拡張ペースが最速の高速鉄道を再び称賛した。
12月20日付の香港紙『南華早報』は、「最新の報告書によると、中国内陸部の高速鉄道の利用者数は昨年延べ6億7200万人に達し、2008年の4倍に増加した。2007年4月から今年10月までに、延べ29億人以上が高速鉄道を利用した」と報じた。
世界銀行は、「中国は世界最大の高速鉄道網を保有し、拡張を続けている。しかし乗車率を実現できるか否かが、常に議論の焦点になっている。今後20年、高速鉄道の利用者数は急増を続ける」と予想した。 世界銀行は、「中国の高速鉄道の利用者の移動距離は、2013年に2140億キロに達し、全世界のその他の地域の合計を上回り、日本の2.5倍、フランスの4倍となった」と発表した。
世界銀行は近年一連の報告書を作成し、中国の高速鉄道の経済に対する影響を評価している。 世界銀行の報告書は、最も利用者の多い線路の一つと、乗車率が低い都市間鉄道を個別に研究し、高速鉄道事業者の中国鉄路総公司と協力し調査を行った。
世界銀行の交通問題専門家、報告書の著者の一人であるジェラルド・オリビア氏は、「現段階の成果は喜ばしいものとなっているが、高速鉄道は重大な投資であり、高い乗車率と経済・財政の論拠の支持を必要とする。同問題を巡り、高速鉄道を保有する都市と緊密に連携し、駅周辺の開発に取り組むことで、高速鉄道の交通の利便性がもたらすメリットを拡大できる」と提案した。
中国は高速鉄道技術の海外輸出に取り組んできたが、同プロジェクトの海外での入札は順風満帆ではない。メキシコは先月、高速鉄道の落札結果を急遽取り消し、中国企業と締結した価値にして37億5000万ドルの契約を破棄した。 12月20日付の読売新聞の報道によると、中国は「鉄道外交」を展開し、鉄道建設により海外の影響力を拡大しようとしている。その触覚は、世界に延びている。中国から「運命共同体」と呼ばれたASEAN、欧州の入口の中東欧、米国の「裏庭」の中南米から、高い潜在力を秘めるアフリカに届いている。この戦略は、中国が主導する新たな経済秩序の構築の中で、「先遣隊」の役割を担っている。