当初の予定より1年ほどの遅れはあるものの、国産ナローボディ大型航空機「C919」は年内に初飛行を完了する予定であり、人々の想像力を無限にかき立てている。C919プロジェクトの主体者である中国商用飛機有限責任公司によると、C919は昨年は細部の設計が全面的に完成し、第1号機の機体構造の溶接・接合が行われ、2015年には初飛行を行う予定という。だが多くの業界関係者から、「新型航空機はどれも初飛行の段階から外部の厳しいチェックのまなざしを受けるものであり、初飛行から大規模な商業化利用に至るまでには多くの難関を越えなければならない」との声が上がっている。「北京商報」が伝えた。
同公司の責任者によると、C919は14年に第1号機の機体構造の溶接・接合が行われ、プロジェクト設計、テスト、製造、中心的技術の研究開発、搭載システムの合弁協力など多方面で重要な進展を遂げ、これまでに累計430機を受注した。匿名の業界関係者は4日、「商用飛機が明らかにした情報によると、C919はハードウエアの組立がすでに完成に近づいており、次はエンジンやその他の重要システムの調整・テストで、これこそが最難関の作業だ」と述べた。
データによると、C919はこれまでに累計430機を受注したが、ロシア、ブラジル、日本、インドが次々に同タイプ機の製造に乗り出したことや、ボーイング社とエアバス社が市場で終始独占的な地位にあることなどを考えると、C919は販売をめぐって激しい競争に直面することが予想される。
一般的に、ナローボディ機は300機前後が損益分岐点になるが、C919の場合は500~600機だ。市場の後発組であるC919は、エアバスやボーイングの同タイプ機よりも価格を抑え気味にする必要があり、これはつまり損益分岐点を超えるために機体をより多く売らなければならないことを意味する。
それだけではない。業界のこれまでの経験を振り返ると、市場に参入して順風満帆というほど好調だった新型機はほとんどない。国内大手航空機メーカーのエンジニアは、「ボーイング社の787ドリームライナーは引き渡しが始まってすぐに追い風がぱたりと止んだ。原因は日本が買い入れた2機でリチウムイオン電池が発火する事故が相次いで起きたことにあった。ナローボディ機は引き渡しされると、基本的に毎日10時間以上稼働することになり、テスト時の稼働時間を大幅に超えるため、テスト時にはみられなかった問題が出現しやすくなる、というのがよくみられる状況だ。だが問題は、生まれたばかりのC919が市場の厳しいまなざしを受け止めきれるかという点にある」と話す。この話からわかることは、初飛行の年を迎えたC919は、より多くの問題に直面し、これを解決していかなければならないということだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年1月5日