英国の権威ある軍事雑誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』(JDW)は先日、中国の海軍力が年内に初めて日本を追い抜くと論じた。同記事は「中国は釣魚島(日本名・尖閣諸島)以外に、南中国海などの地域を中国の勢力範囲と宣言し、海軍の戦力強化に拍車をかけている」とした。軍事専門家は中国中央テレビ(CCTV)のインタビューに「この記事は中国の海軍力を羅列式に示しており、大変非専門的だ。『中国海軍が日本を追い抜く』結論を導き出す目的は、中国への対応を口実に軍事費増額を要求することに他ならない」と述べた。
■海軍力の羅列式比較は非専門的
JDWの記事によると、中国海軍が兵員23万5000人で、潜水艦56隻、軍艦970隻、戦闘機468機を保有するのに対して、自衛隊は4万5800人、潜水艦18隻、軍艦120隻、戦闘機339機に過ぎない。記事はまた「中国は原子力空母『遼寧』と核弾頭200個の潜水艦発射弾道ミサイル『巨浪-2』および米国も恐れさせる大陸間弾道ミサイル『東風-41』を保有する」とした。
「JDWは専門誌だが、この論説は中日の海軍力を羅列式に比較しており、大変非専門的だ」。軍事専門家の尹卓氏は「まず、中国の弾道ミサイル原潜がすでに核弾頭200発を持っていると、どう導き出すことができるのか?また、中国は日本のような非核保有国に対しては、たとえ釣魚島で紛争が起きても、米国が参戦して核攻撃を優先させた場合を除いて核兵器を使用しない。(JDWの)こうした比較は静態的(比較)に用いるだけならまだいいが、動態的戦闘においては、中国の核戦力を除外しなければならず、比較の基準にはできない」と述べた。
中央党校国際戦略研究所の高祖貴副所長は「JDWは英国政府の声を代表するものではないが、影響力が大きく、学術と娯楽の見解を代表している。今回同誌が導き出した『中国の海軍力は日本より強い』との結論は、以前の米議会経済安全保障委員会の結論とそっくりなうえ、一層明確にしている。違いはJDWが中国の経済的、軍事的潜在力および規模を現実のものと見なしたことだけだ。実は日本、米国、英国のこうした声はいずれも中国を抑え込む意図があり、軍事費増額を呼びかけるものに他ならない」と述べた。