2015年6月3日  
 

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<動画>「『食育』で結ぶ中日の絆」 伊藤征树さん

ロイヤルクイーン料理教室 中国代理店代表 

人民網日本語版 2015年03月18日08:24

<在中日本人の記録番組>中国と共に生きる 第11回

 

「食育」という言葉が生まれて1世紀以上が経ち、今や安心・安全・健康な食生活は人々の暮らしと切っても切れない関係にある。中国でも健康的な食への関心は高まりをみせており、2009年から北京で料理教室ロイヤルクイーンを開講する伊藤征樹さんは、健康的な料理を求めて日本料理に辿り着く中国人も多いと言う。今回は、北京で「食育」を通じて、北京で暮らす日本人、そして中国人との交流を続ける伊藤征樹さんの料理教室を覗いてみたい。

ロイヤルクイーン料理教室 中国代理店代表 伊藤征樹(北京滞在暦6年目)

Q1:料理教室ロイヤルクイーンを北京で開くことになったきっかけは?

伊藤:ある中国人の方から日本の料理教室を北京でもやってくれないかという依頼を受け、2009年11月から駐在で北京に来ました。はじめは中国人の方と一緒にやっておりまして、中国人向けにやっておりましたが、北京には日本人も多いですので、今は中国人と日本人に、また子ども向けの子ども料理教室も合わせて開講しています。

Q2:どのように生徒を集めている?

伊藤:北京に来た当初は知り合いも友達もいませんでしたので、様々な会に積極的に参加して、知り合いを増やすところから始めました。また、日本人向けのフリーペーパーがありますので、そちらに載せて頂き、あとは日本での勤務当時から大切にしている「来た人の口コミ」で広めて頂いています。今となってはフリーペーパーに載せず、来られた方の口コミだけでご予約頂いております。また、中国人の方はWeChat(コミュニケーションアプリ)に写真をアップして楽しまれますので、それを見たご友人「私も体験してみたい」ということで、広がっていっています。

Q3:中国人が日本料理を習いに来る理由とは?

伊藤:中国では料理を習うということがまだあまりなかったと思います。「日本料理を習うところがあるのか」、「自分で作れるの?」といった興味から来られるのだと思います。そして実際にやってみて、「こんな簡単に作れるのか」と、しかも「美味しいではないか」と、喜んで頂いているのだと思います。自宅に帰ってさっそく試される方もいます。そしてその写真を友人とシェアしたり、自慢したりして楽しみ、またもう一度行ってみようということになったります。

Q4:料理を教える際に心がけていること、モットーは?

伊藤:料理初心者でも分かるような、分かりやすい指導を心がけています。モットーは日々楽しく過ごすことです。自分が楽しんでいれば、楽しい輪が広がり、周りも楽しい気持ちになっていくと思います。ですので、料理教室を開いている際も、楽しく、分かりやすく教えるということを第一にやっています。

Q5:日本人を指導する際と中国人を指導する際とでは何か違いは感じる?

伊藤:日本人の特に主婦の方は、毎日家でお料理をされているので、料理教室に来てまで切ったりということは少し面倒だったりします。それよりも料理のコツを学んだり、レパートリーを増やしたいという方が主ですので、始まる前に私が食材を切って準備をしておき、始まってからも私が作り、日本人の方はそれを見て、メモするということが多いです。

中国人の方は、日本料理を初めて作る方が多く、参加することを楽しみに来られます。ですので、切るところから、作る過程を一緒に楽しむということを心がけます。

Q6:中国人と日本人とでは質問内容に違いはある?

伊藤:日本料理を中心にしていますので、中国人の方は日頃使ったことのない調味料があります。その調味料の写真を撮って、どこで買えるのか、どんな味がするのか、といった質問が多いですね。

Q7:日本で開く料理教室と、中国で開く料理教室とでは何か違いを感じる?

伊藤:日本では私は「サラリーマン」という意識が強く、「対お客様サービス」という感が強かったのですが、中国に来てみると、海外で知り合った「仲間」、「友達」という感覚で接することができ、この時間をとても仲良く楽しむことができます。

Q8:中国人に教室を開く際に特別苦労する点は?

伊藤:最初は中国人の習慣も文化も分かりませんでしたので、味の好みの違い、食事の際のマナーの違いも分かりませんでした。これは私が北京に来て初めての料理教室の日のことですが、その日は10名の中国人に7品の日本料理を作って振る舞うことになりました。皆さん食べ終えて、二次会へと行ってしまわれたのですが、見てみるとどの料理も残しておられました。「きっと口に合わなかったんだろう」、「なんでだろう」と思い悩んでいました。後々知ったのですが、「料理が足りなかったのではないか」という不安をもてなす側に与えないよう、人様の家では気を使って料理を少し残すという習慣が中国にはあると聞きました。初日に学んだ中国人の習慣の一つです。

もう一つは食材探しです。これも来た当初、どこで何が手に入るのか、探すのにとても苦労しました。しかし、探しまわった甲斐合って、今では色々な食材や調味料を北京市内で調達できるようになり、北京に来られた日本人にも情報提供ができるようになりました。

Q9:言葉の壁はなかった?

伊藤:ありました。(笑)最初はニーハオしか言えず、その発音すらままならず、ニーハオを言ったら最後、その後会話は続きませんでした。料理の名前や調理方法なども、まったく中国語で言えませんでした。今となっては簡単な表現で説明もできるようになりました。

Q10:中国で仕事をしていて良かったと思う瞬間は?

伊藤:生徒さんはほとんど紹介で来て頂いているのですが、日本人中国人問わず多くの見知らぬ人に出逢えるということが一つ嬉しいことですね。また、中国人の方に日本料理を通じて、また私という日本人と接して頂く中で、少しでも日本のことを知ってもらえますし、反対に私も中国のこと、中国人のことを知れたので、来て本当に良かったと思っています。

Q11:今中国人に対してどんなイメージをもっている?

伊藤:中国人の方は本当に素直だと思います。心から感動してくれたり、心から喜んでくれたり、また口に合わないものははっきりと美味しくないと本音を言います。そうした中国人の方々との付き合いの中で私も勉強になりますし、素直な心の方々と接していることで私の心も洗われていく気がします。中国人の方々と接する機会があって本当に良かったと思います。

Q12:中国人男性の方が日本人男性よりも料理をする?

伊藤:日本人の夫婦であれば、女性が料理をするという役割分担が昔からされていることが多いのですが、最近の中国人の若い女性は、私は料理を作らないと決めている方が多いようで、仕方なく男性が作るという家庭も多いようですね。一概に言えませが。(笑)

Q13:今後中国で料理教室は需要がある?

伊藤:日本でも昔は母親に料理を習い、その後料理教室なるものがでてきて、フランス料理やイタリア料理といった外国の料理は料理教室で習うという流れになっていったと思います。中国でも、現在料理教室というものはあまり普及していないと思いますが、心にも時間にも余裕が出てくれば、料理教室を含む様々な体験をしたいという方が増えてくると思います。また、健康を意識する方が増え、健康食とはどういう料理なのかを考える中で、日本料理に行き着く方もおられると思います。そうした方々が日本料理を楽しく健康的に作れるようになって頂けたなら、私も本当に嬉しいです。

Q14:伊藤さんにとって日中民間交流とは?

伊藤:日本料理を習いたいという方が沢山おられます。そうした方々に教えてあげたいですし、今後ファーストフードや添加物の多い食べ物が増え、健康に対する関心も高まってくると思います。そこで、私なりの健康の知識を中国人のお客様にもお伝えし、健康への意識を持って頂いて、共に健康的な食事の仕方、生き方、食の教育「食育」を共有できればいいなと思います。(岩崎元地)

「人民網日本語版」2015年3月18日

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