「資生堂の管理システムの変更」に絡んで出現した「資生堂は中国事業部を解消して、中国市場を放棄する」とのうわさは、この日本の化粧品大手は一気に注目を集めるようになった。資生堂はこのほど取材に答える中で、中国市場撤退のうわさを否定するとともに、管理システムの変更とはこれまで日本の本社が決定していた中国事業部の経営や市場での営業販売の職能を中国に移すことであり、実際には中国事業を拡大することになると説明した。業界関係者は、「こうした資生堂の変化は業績の圧力に耐えかねてやむなくうち出した措置だ」と話す。「北京商報」が伝えた。
資生堂によると、資生堂は中国市場の変化への対応を強化し、中国の顧客のニーズに迅速かつ的確に応えるため、日本本社の中国事業部がもっていた経営および市場での営業販売の職能を中国に移すこととした。今後も引き続き中国市場を最重要市場と位置づけ、中国事業の拡大に力を入れる方針だという。
広東省日化商会の谷俊副秘書長は、「否定できないことは、資生堂が中国市場に進出した当初はブランドの現地化を積極的に推し進め、中国人女性のために作られた欧珀莱と悠莱という2つのブランドをうち出すとともに、専売店による販売ルートを他社に先駆けて構築したことだが、最近はブランドの刷新は行われていない。現在、資生堂の製品は年齢層のやや高い熟年女性によりふさわしいとされているが、中国の当今の化粧品消費者のうち1990年代生まれ以降の若い世代が大きな部分を占める。資生堂は職能を中国に移した後、中国市場の情況を踏まえて、中国人消費者によりふさわしい製品を研究開発し、低迷する業績の転換に希望を見いだそうとしている」と分析する。
別の業界関係者は、「資生堂が今、中国事業部により大きな権限を与えようとしているのは、ライバルである韓国の化粧品会社アモーレパシフィックが中国市場への投資を拡大しているからで、資生堂はやむなく今回の決定を下すに至ったのだ。中国はアモーレの重要な海外市場の一つで、データによると、過去約10年間に中国エリアでの売上高が年平均47%も増加しており、2014年の営業収入は26億5千万元(1元は約19.5円)に達して、前年比44%増加した」と話す。
アモーレの年平均47%の増加率に比べ、資生堂のここ2年間の販売状況は楽観視できるものではない。12年には中国エリアでの売上と利益がともに低下した。この12年の業績低迷を受けて、13年度の中国業務の売上高は前年比23%増加したが、実際の伸びは韓国アモーレに及ばなかった。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月19日