ヴェルサーチ、中国で5月から値下げへ

シャネルが中国で値下げに踏み切ったことを受け、連鎖反応が加速している。ヴェルサーチはこのほど、2014年度通期決算を発表。同社のジャン・ジャコモ・フェラリス最高経営責任者（CEO）はインタビューで、「競合他社の動きには常に注目している。現在、価格決定メカニズムを見直しており、調整が行われるとすれば5月になる」と語った。北京商報が伝えた。

シャネルの値下げを受けて、すでにクリスチャンディオールと 仏LVMH傘下のスイスの高級時計メーカー、タグ・ホイヤーが中国で値下げを行っている。ヴェルサーチの価格調整はこれらのブランドに続くものとなる。贅沢品業界の専門家は、「シャネルの値下げがシグナルとなった。今後、多くのブランドが値下げに踏み切るだろう」と予測している。

アナリストは贅沢品の価格決定メカニズムについて、「相対的に見て、購買力の高い市場では価格が低く、購買力の低い市場では高く設定される。中国市場はこれまで、購買力が欧米に劣ると見なされており、収入と利益を確保するために価格が高めに設定されていた。一方、贅沢品の消費が多い欧米では、『安く多く売る』戦略が取られていた。しかし現在、各ブランドは中国市場の購買力が大幅に高まったと判断し、戦略を変更している」と指摘した。

世界における贅沢品の価格の均等化は必然的な流れとなっている。アナリストは、「ヴェルサーチは中国市場での価格調整にすばやく対応し、消費刺激の流れに乗ることができるだろう」と指摘している。ヴェルサーチは中国市場では保守的な立場を取っており、大陸部の店舗はわずか30店舗あまり。しかし、中国を含むアジア太平洋市場での販売は同社全体の40％を占めており、米国市場の割合（17％）を大きく上回り、欧州市場と並んでいる。（編集SN）

「人民網日本語版」2015年3月26日