高級ブランドが値上げ メンツ型消費はいつクールダウンするか?
中国人はメンツのために金を費やしたがり、世界一の高級品消費大国という「評判」を得ている。中国贈答品市場の成長減速のシグナルが出されると、世界的な有名ブランドは中国人のこの特徴に目をつけ、利益確保の一つ目の選択肢として迅速に値上げを行った。新華網が伝えた。
業界関係者は、「世界各国の高級品消費は、富の格差→地位の格差→自身のニーズというルートをたどっている。中国は人口が多いが、高級品消費のクールダウンはメンツによる影響を受け緩慢になり、さらに10年間の過渡期を経るだろう」と語った。
市場のクールダウンにも関わらず、なぜ値上げされるのだろうか。
中国の高級品消費構造において、贈答品市場が約6割を占める。中国人の贈答・返礼の習慣は、各国の高級品ブランドの「温床」とされてきた。これは中国事業急拡張を支える原動力でもある。政府の腐敗撲滅および清廉潔白の提唱に伴い、2013年の高級品市場の最高級品が、この「金のなる木」を失うことが予想されている。
世界高級品協会がこのほど発表したモニタリング報告書によると、2013年1月20日から2月20日の中国本土の高級品消費総額は8億3000万ドルとなり、同期の海外高級品消費総額の10分の1未満となり、2012年春節(旧正月、今年は2月10日)の17億5000万ドルから9億2000万ドル減少し、5年ぶりの低水準となった。
世界高級品協会中国代表所の欧陽坤首席代表は、「各ブランドは大幅な値上げにより、中国で資金獲得を続け、利益減を補うしかない。今年は値上げの頻度が増加するだろう」と予想した。
記者が上海の各高級品ブランド専売店を取材したところ、第1段階の値上げが完了したことが分かった。ティファニーのペアリングの価格は2月に約1000元(約1万5000円)引き上げられ、ブルガリのアクセサリーや手袋なども10-20%の値上げを行った。グッチやルイ・ヴィトンもまた、より高額のラベルに張り替えた。ティファニーの関係者は、一部のアクセサリーは、3月と4月にも値上げを行う可能性があると語った。