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中国がMERSの治療用抗体を開発、まもなく臨床実験を開始

人民網日本語版 2015年06月02日13:29

中国で初めてMERS(中東呼吸器症候群)の発症者が確認された。中国科学院北京生命科学院が1日に発表した情報によると、中国はすでに複数の治療用抗体と薬品を開発したが、いずれも実験室レベルに留まっており、今後さらに臨床研究に入る予定だ。新京報が伝えた。

2012年9月から2015年5月25日にかけて、世界24カ国で確認されたMERSの患者数は1139人に達し、うち431人が死亡した。患者の圧倒的多数が、中東地域に居住または渡航歴のある人だった。MERSは新型コロナウイルスによるウイルス性呼吸器疾患で、2012年にサウジアラビアで初めて発見された。世界保健機関(WHO)は2013年5月、この新型コロナウイルスをMERSと命名した。

中国科学院北京生命科学院副研究員の施一氏は記者に対して、「中国科学院院士の高福氏が率いる研究チームは、2013年よりMERS抗体の研究を開始し、同年中にMERSウイルスが宿主の細胞に侵入するメカニズムを明らかにした」と述べた。研究結果によって、ウイルス表面のスパイク(S)タンパクが、受容体結合ドメイン(receptor-binding domain:RBD)を通じ人の受容体CD26に結合し、宿主の細胞に侵入することが明らかになった。

高氏が率いる研究チームのメンバーである施氏は、「研究チームが開発した抗体は、ラットの実験で初歩的な成果を獲得しているが、依然として実験室の段階にあり、今後さらに臨床実験に入る。MERSはインフルエンザほど伝染性が強くなく、くしゃみによって感染することもない。これまでの例を見ると、感染者は長期的にウイルスと接触していた。例えば中国で初めて確認された韓国人患者は、病院で感染が確認された父を看病していた」と説明した。(編集YF)

「人民網日本語版」2015年6月2日

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