突然の火災が黒竜江省綏化市に住む9歳の女の子、高子涵さん一家の運命を変えてしまった。祖母を助けるために高さんは火の海に飛び込み、全身の25%に重度の火傷を負ってしまった。祖母も高さんをその体で庇って、全身の65%に重度の火傷を負った。火災の際の祖母と孫の絆が多くの人の心を打っている。燕趙都市報が伝えた。
古冶火傷病院に入院している高さんと祖母の張全栄さんには、母親と叔母が付き添っていた。高さんの火傷は回復に向かっているが、額にはまだ火傷の痕跡が見られ、一番火傷が酷かった右上腕部には包帯が厚く巻かれていた。高さんの主治医は「高さんには傷跡をなくすための薬を処方している。子どもの回復力は強いから、額の傷は残らないはずだ。こんな可愛い女の子に傷が残ったらかわいそうだ」と語る。
高さんの母親、劉娟さんは1カ月半にわたる治療を振り返り、娘がずっと楽観的で我慢強かったことが唯一の慰めだと語る。「綏化病院で薬を交換する時には包帯を剥がさなければならないが、とても痛む。でも薬を交換する度にどれほど痛くても、娘は泣くことはなかった。時には娘に、痛かったら泣いた方が楽だと言ったが、娘は私が泣くのがいやだから我慢して泣かないと言った」。
劉さんは火災の様子を語った。「あれは4月21日の夜10時過ぎで、家族は皆もう眠っていた。突然パチパチという音が聞こえ、ドアの上のケーブルから火が出ているのに気づいた。私と娘、祖母は皆西側の部屋にいた。娘と祖母に呼びかけて起した後、急いでブレーカーを落としに行き、その後で東側の部屋に行って祖父を起した。もう一度西側の部屋に戻った時に、祖母と娘が部屋の中に取り残されているのに気づいた。娘は祖母の腕を一生懸命引っ張って別の部屋へ逃げた。娘は小さい頃から祖母と一緒に暮らして、2人の絆はとても強かった。祖母の危機を見て、娘は自分の身を顧みずに祖母を助けようとした」。(編集YH)
「人民網日本語版」2015年6月17日