元駐長崎中国総領事・曽文彬氏
今年は中国抗日戦争勝利ならびに世界反ファシズム戦争勝利70周年にあたる。70年前、中国人は8年間に渡る辛く苦しい抗日戦争を経て、偉大なる勝利をおさめ、世界の反ファシズム戦争勝利に大きな貢献を果たした。そんな特別な年である今年、我々はどのように歴史を振り返り、記憶に残すべきだろうか?人民網日本チャンネルの記者が、元駐長崎中国総領事の曽文彬氏を取材した。
長年にわたり日本関係の業務に携わった曽文彬氏は、退職から10年あまりが過ぎた今も、中日関係に高い関心を寄せている。今年9月3日に抗日戦争勝利70周年の記念式典と軍事パレードが行われることについて、曽氏は「これは、中国にとっても、東アジアおよび世界各国にとっても重要な現実的意義と深い歴史的意義がある。我々は歴史を忘れてはならず、歴史を正視し、未来に向かい、共に努力し、安定した平和な世界を作り、各国と協力・ウィンウィンの互恵関係を築かなければならない」と述べた。
1980年から1985年、1989年から1993年の2つの期間、曽氏は在日本中国大使館で報道官および報道参事官を務めた。1996年には駐長崎中国総領事に就任し、1999年まで務めた。1980年代から90年代にかけ、中日関係は良好だった。特に1984年に3千人の日本人青年が訪中した影響は大きく、その後の長い間、中日関係は友好ムードを保ち続けた。
1992年10月23日から28日にかけ、日本の明仁天皇と美智子皇后が中国の楊尚昆国家主席の招きを受け、中国を公式訪問した。天皇の訪中は、2千年あまりにわたる中日両国の交流の中で初となり、しかもその時期が中日国交正常化20周年に重なっていたこともあって、格別な意味合いを持っていた。実は、天皇訪中は順風満帆に実現した訳ではなかった。訪中の実現に向け、中日両国の外交当局者や友好団体は努力の限りを尽くした。