中国大陸部における男女性別比率のアンバランス問題が再び注目されている。上海のニュースサイト澎湃新聞(The Paper)の報道によると、大陸部政府は、「行き遅れ男性」の数が、2020年にはオーストラリアの総人口に近づき、約2400万人に達すると予測している。彼らのほとんどが、一生独身で過ごす見込みという。台湾メディアの報道を引用して参考消息網が伝えた。
1日付台湾「中央社(電子版)」の報道によると、中国大陸部では、1982年ごろから、出生男女比にアンバランスが見られ、2000年の国勢調査では、男女比が119.2:100となった。政府は2002年、出生男女比のアンバランス問題の解決に取り組むようになった。2014年には出生男女比が115.88:100まで低下したが、それでも国際平均レベル(103~107:100)を上回っている。
福建省統計局センサスセンターの姚美雄・副センター長は、「2020年は、若い男性の10%以上が配偶者と巡り会えなくなり、そのほとんどが一生を独身で終えるだろう」と予想している。 その上、男性が多く女性が少ない状況から、「排斥」が生じる可能性がある。年上の男性がかなり年下の女性を結婚相手に選ぶ傾向が進むと、都市部の男性が農村部の女性を、経済的に豊かな男性が貧困地区の女性を探し求めるようになり、多くの貧困層の男性が「行き遅れる」結果となる。
北京大学人口研究所の喬暁春教授は、「男尊女卑思想だけが、男女比アンバランスを生む原因ではない」と指摘。生物統計学が専門の米ジョンズ・キンス大学の黄文政氏も、「男尊女卑、胎児性別診断、出産コントロールの三者が、男女比アンバランスという問題を作りだしている」との見方を示した。 だが、北京大学人口研究所の穆光宗教授は、「男尊女卑思想を払しょくし、出産・育児文化を再建する必要がある。このプロセスは途方もなく大きく、簡単には達成できないだろう。今のところ最も実行可能で効果的な方法は、やはり、出産制限を緩和することだ」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年9月11日