中国の習近平国家主席が米国のオバマ大統領の招待を受けて今月公式訪米する。訪米が近づくにつれて、中米両国のメディアでは「中米の新型の大国関係」という言葉が普段に増して注目されている。(文:王義桅・中国人民大学国際事務研究所所長、重陽金融研究院シニアフェロー。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
2013年6月のサニーランズでの中米首脳会談以来、「非衝突、非対立、相互尊重、協力・ウィンウィン」の中米の新型の大国関係の構築は、すでに両国関係を導く重要な指針となり、他の大国間の関係処理の参考にもなっている。
米国の一部政治屋やメディアが中米関係にマイナスの言動を度々行っているが、時代の流れは個人よりも強い。特にこの2年余り、中米は日増しに広範な分野で協力を展開し、進展を得ており、しかもこの趨勢は弱まるのではなく強まっている。協力・ウィンウィンは時代の潮流に沿っており、両国および世界各国の人々の根本的利益に合致する。中米の新型の大国関係の構築は中米両国および世界にとって少なくとも3つの利点がある。
(1)両国民にとってプラスだ。中米両国の最も広範な国民の根本的利益は、中米関係を検証する最も重要な指標だ。どの政党が政権に就くのであれ、まず自国民の幸福をしっかりと図る必要がある。そして正常で安定した中米関係の発展は両国民に確かな利益をもたらす。国交樹立以来の歴史は、核心的利益と懸念を互いに尊重して初めて、中米関係の安定的発展が可能になることを証明している。雑音が飛び交う現在、なおさらにこの原則を揺るぎないものにする必要がある。
(2)世界にとってプラスだ。中米両国は世界の大国として、世界の平和と発展に対して特殊な責任を負っている。中米関係は二国間の範疇を超え、広範かつ計り知れない世界的意義を備える。中米関係の発展においては、両国民の根本的利益以外に、国際社会の長期的利益も考慮する必要がある。相互包含的な両国の利益関係が両国間のごたごたを許さないだけでなく、国際社会全体の利益も中米対立に耐えられないと言える。したがって、非衝突、非対立が中米の新型の大国関係の重要な内容となっている。