林少華氏が訳した「ノルウェイの森」
9日、今年のノーベル文学賞で日本の作家、村上春樹氏が受賞を逃したことを受け、村上作品を数多く翻訳している中国の翻訳家・林少華(リン・シャオホア)氏は「今後も受賞の見込みは薄いのではないか」とやや悲観的な見方を示した。中国新聞社が伝えた。
林氏は「最近の受賞者の顔ぶれをみると、社会や人類の苦しみを描く人が目立つ。村上作品は対照的にソフトな内容のものが多い」と分析。「村上氏は人間の心情の豊かさを描くことには長けている。しかし、社会や体制による束縛を打破するようなテーマには取り組んでいない。そこが弱点なのかもしれない」と指摘した。
その上で林氏は、村上作品が中国でも幅広く読まれていることに言及。「村上氏はすでに多くのものを手にしている。知名度、ファン、読者などだ。ノーベル賞作家でもベストセラー作家になれた人は非常に少ない」とユーモアを交えて語った。(提供レコードチャイナ・編集SC)
「人民網日本語版] 2015年10月10日