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2015年10月20日  
 

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翻訳後記——武藤秋一氏の「従軍日誌」 (3)

人民網日本語版 2015年10月20日14:05

本書は、国内の多くの抗日戦争の史料の中でも特殊な地位と歴史的な価値を持っている。

一、本書は、中国人による抗日戦争史ではなく、日本人による侵略史である。いかなる戦争も一方的なものではなく、侵略する側があれば、侵略される側がある。侵略の歴史の記録は一般的に、侵略された側により多く残るものである。侵略した側は、明確な動機がある場合を除き、侵略の歴史を自ら明らかにすることはまれである。中国に対する侵略戦争を行った日本の場合はなおさらである。本書でも指摘されている通り、第2次大戦後の日本では、戦争の発動者や参加者、その子孫のほとんどは、侵略戦争という自らの通った道を語りたがらず、侵略の歴史を自ら公にした史料は極めて少ない。だが歴史の真相を明らかにするには、侵略された側だけの歴史記録では不十分であり、侵略した側の史料も同様に重要な価値を持っている。本書はこの面での不足を補うものであり、侵略した側の資料による裏付けを欠いていた中国の抗日戦争史学界に貴重な史料を与えるものと言える。

二、本書は侵略した側の手によるものであり、日誌中に示された立場や観点は、侵略された側とはまったく異なる。文中には、中国を蔑視・敵視する言葉や、中国人の大量殺傷についての記述が含まれるが、これは歴史のまぎれもない事実の一つである。中国や中国人に対する差別的な言葉や陳述された事実の真偽に対しては、訳者はいかなる飾り立ても行わず、直訳に努めた。これは資料中に示された侵略した側の歴史の真実性を保つためである。読者には客観的な理解と閲読を求める。

日誌部分は70年前の戦争中に書かれたもので、すでに長い年月を経て、判読不能な文字や言葉の誤用もあった。資料の正確性と完全性を保つため、欠落部分は「○」で示した。原文には、武藤氏自身が「○」によって情報を隠している部分もあり、翻訳もこれに従った。一部の人名は、作者の意見を尊重して処理を加えた。資料の事実性を確保するため、日記と書簡の原文の複写も添付した。

2015年は、中国人民抗日戦争勝利70周年の年である。この記念の年に、北京外国語大学北京日本学研究センター社会専攻の教師と学生が共同で翻訳し、原稿のまとめや翻訳審査を私が担当し、人民日報出版社が版元となった本書が出版されるに至ったことは、非常に意義のあることと言える。

本書出版にあたっては、人民日報出版社の指導者並びに宋娜編集員の多大な協力をいただいた。心からの感謝を示したい。また当方の水準の限界による翻訳上の間違いや不足については各位の批判や叱正を仰ぎたい。

宋金文

2015年4月15日 北京にて

「人民網日本語版」2015年10月20日

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