日本語の証言資料を翻訳する纐纈健司氏
黒竜江省哈爾濱(ハルビン)市にある「東北烈士記念館」は1933年、日本の満州傀儡政権ハルビン警察庁を改造して作られた展示館だ。26日午前、纐纈健司氏はこの記念館で、中国人学生に向け、同記念館に展示された大量の歴史資料について、中国人学生を相手に、日本語で講義を行った。中国新聞網が報じた。
68歳になる日本人教師の纐纈氏は今年7月、8年に及んだ中国での日本語教員としての生活に終止符を打つ。この日の講義は、中国を離れる氏にとって「最後の授業」となった。
スリムで小柄なこの日本の老人は、ハルビンにある黒竜江外国語学院で、日本語教育の仕事に携わってきた。8年におよぶ教師生活の間、彼は黙々と、中国人学生を連れて中国侵略日本軍第731部隊罪証陳列館を訪れ、同館に収蔵された日本語の証拠・証言文書や解説文書の翻訳を無償で行った。そして、この作業は、中国人学生に対する実習講義にもなった。
今年7月、纐纈氏は高齢を理由に、中国での教員生活にピリオドを打つ。折しもこの時期、中国侵略日本軍第731部隊罪証陳列館は改造中であったため、最後の実習講義は東北烈士記念館で行われることになった。氏は講義中に、「抗日戦争をめぐる中日両国の証言」を収録した書籍を同記念館の館長に贈呈した。