祝休日になる度、北京の多くの景勝地の観光客数はキャパシティを超え、さらには文化財の安全性を脅かすこともある。しかし、これと同時に河北省、天津市の優秀な資源に誰も気が付いておらず、多くの観光資源を無駄にしている。実際、河北省には国の重要文化財保護施設が278か所あり、全国3位の座についている。このほか、北京には125か所、天津には28か所ある。宮廷文化は3地域で同じ流れを汲んでいるが、行政区画で切り離され、断片的に発展してきた。北京青年報が伝えた。
このほど開かれた「第一回京津冀公園開発シンポジウム」で専門家は河北省と天津市の宮廷庭園を積極的に推薦し、3地域の共同開発により北京市、天津市、河北省3地域430か所余りの文化遺産を統一的に計画すればこそ古都の風情を真に保護することができるとしている。
北京市は故宮博物院、天壇公園、頤和園、北海公園があるが、これらの観光資源に頼るだけでは宮廷文化全体を説明することはできない。高大偉氏は例を挙げ「清王朝の第2の政治の中心地は承徳であり、ここには康熙帝が建設した現存する中では世界最大の宮廷の避暑山荘があり、これは世界遺産である。また宮廷の寺院である外八廟、宮廷の狩猟場である木蘭囲場などがある。また清時代2番目大きい行宮(あんぐう)「静寄山荘」が天津市の盤山にある。しかし現在これらの宮廷の庭園はあまり知られておらず、大々的な保護、発掘をされていない」と話す。
このように、観光客に多角的に宮廷の庭園文化を体感させたいならば、3地域が430か所の文化遺産に対し詳しい状況を把握し、分析、統合、統一した観光企画を制定することが大事である。高氏はまた「大故宮」構想を打ち出し、瀋陽故宮(遼寧省)、台湾故宮(台湾地区)、避暑山荘(承徳市)、三山五園(北京市)などを故宮の系譜に組み入れ、観光客に完全な「故宮の概念」をさらに知ってもらうとしている。
このほか、取材によると、現在、北京市、天津市、河北省3地域で観光の「マップ、ネット、カード」での協力を強力推進しており、すでに実質的な成果を得ている。今後は3地域共同で旅行ガイドマップを作成し、ウェブサイトを利用、観光案内センターなど公共サービスのプラットフォームで相互でプロモーションを行ない、共同で「3地域観光共通カード」のPRを促進させる。(編集JK)
「人民網日本語版」2015年10月29日