中国人観光客は、海外で驚異的な購買力を見せつけている。これまで、中国人観光客が海外で買うものと言えば、国内外の価格差が大きな高級ブランド品が多かった。だが、ここ数年、フェイシャルマスクや歯磨き粉などの日用品も、中国人観光客による「爆買い」の対象となっている。
これだけではない。「海外消費」は、一度限りの旅行先での消費から、長期にわたる代理購入へとシフトしており、その数はますます増える一方だ。中国人観光客の多くは、海外旅行で物を買った後、ガイドによる代理購入、インターネットでの代理購入、友人による代理購入などを通じて、「海外消費」を長期にわたる消費行動へと転換している。
天津に住む龐さん(女性)は、「オーストラリア旅行から帰った後、ガイドを通じてオーストラリア製サプリメントを代理購入している。日本旅行から帰ってきた友人は、日本製の洗剤や歯磨き粉を私に強く薦めてきたので、少し買ってみた。今、自宅にある日用品の多くは、代理購入を通じて日本から取り寄せた製品だ」と話した。
海外からの代理購入はここ数年、急成長している。ある税関係員は、「海外代理購入による仲介料は、商品価格の約10%が相場だ。だが、たとえ10%の手数料がかかっても、国内販売価格の7~8割で購入できることから、代理購入は消費者にとって大きな魅力がある。商店、仲介者、消費者の『三方勝ち』の背後には、税収の大きな損失がある」と語った。
〇製品価格、国内外で大きな差
専門家は、次の通り指摘した。
「高級品購買力」の海外流出が続いている。長期にわたり、国内と海外で製品価格に大きな差があることが原因のひとつであり、中国の高級品業界や各業界が、「消費のアップグレード」に十分対応していない状況を反映している。