米国の気候研究機関「クライメート・セントラル(Climate Central)」が発表した最新報告によると、世界全体の気温が4℃上昇した場合、海面上昇の影響を最も大きく受ける国は中国という。海面上昇による影響が大きい世界10大都市のうち、4つは中国の都市(上海、天津、香港、浙江省台州)であることが明らかになった。英BBC報道を引用して人民網が伝えた。
研究者によると、気温が2℃高くなるだけで、多くの沿岸部都市は、長期にわたり脅威にさらされる恐れがある。また、今後数百年の間に気温が4℃上昇する可能性があり、早ければ200年以内にそれが現実となるかもしれない。報告によると、気温が4℃上昇すれば、最も影響を受けるのは中国の都市で、現在1億4500万の人々が住む中国沿岸地域は、海と化する可能性がある。
報告によると、評価対象となった危険都市10都市のうち4つは、上海・天津・香港・浙江省台州と中国の都市で、総人口は4400万人に達する。インド、ベトナム、バングラデシュも、同じ脅威に直面している。世界全体で見ると、海に「丸のみ」にされるこれらの地域の住民のうち、75%がアジア地区に集まっている。専門家はあまねく、「地球温暖化のスピードを遅らせる最も効果的な方法は、温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を削減することだ」と指摘している。
だが、国連は早くに、「多くの国家が温室効果ガスの排出削減を承諾したが、世界の気温はそれでも3℃ほど上昇する恐れがある」との見方を示した。世界銀行も、「予防・改善策を講じなければ、地球温暖化は、疫病発生を増やし、農作物の生育に悪影響を及ぼし、1億人を上回る人口の貧困化をもたらすであろう」と警告している。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年11月10日