インド洋はアジア、アフリカ、欧州、オセアニアに通じる海の重要ルートだ。中国海洋大学、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の科学者は、ネイチャー誌に6月12日に掲載された研究論文の中で、「温室効果ガスの大量排出、極端な気候および気象現象(洪水や干ばつなど)により、21世紀にインド洋が拡大する」と予想した。科技日報が伝えた。
この研究を行った研究チームリーダーの蔡文居氏とメンバーらは、温室効果ガスの排出が現在の勢いを維持すれば、未来のインド洋におけるダイポールモード現象に重要な影響を及ぼすと指摘した。
研究者は、「インド洋のダイポールモード現象は、海面温度のピーク値が、インド洋の東部と西部を行き来する気象周期だ。この周期が『正』の場合、西部の海域が温暖になるため、降水量が増加する。東部の降水量は、海水の温度が低下することにより減少する。地球温暖化はこの周期的な状態を変化させ、かつ極端な『正』が生じる確率をこれまでの3倍にする可能性がある。1997年にも、同じような例があった。東アフリカの広範囲で洪水が発生し、インドネシアで深刻な干ばつと山火事が発生した」と指摘した。
ネイチャーに掲載された論文の著者は、「インド洋の極端な『正』の予測が増加するに伴い、人々は影響を受ける地域で発生しうる壊滅的な気象事件を予報できるようになるだろう」と締めくくった。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月13日