現地時間20日朝、マリの首都バマコ市にある高級ホテル「ラディソンブル」を武装集団が襲撃、宿泊客と従業員約170人を人質に取って立てこもった事件は、世界中を震撼させた。同ホテルに宿泊していた中国人の安否をめぐり、中国国内も騒然となった。新華社が報じた。
今回の事件は、エジプトで発生したロシア旅客機爆破・墜落事件と仏パリでの同時多発テロに続き、国際テロリスト集団が再び起こした卑劣極まりないテロ行為だ。イスラム武装勢力「アルムラビトゥン」がすでに犯行声明を出した。
多方面が総力を挙げて救出・救援活動にあたり、人質となった中国人7人のうち、4人は無事生還したが、3人は犠牲となった。犠牲となったのは、中国鉄建国際集団の周天想・総経理および王選尚・副総経理、西アフリカ支社の常学光・総経理の3人。
〇多大な損失を被った中国鉄道事業
中国鉄建国際集団は長い間、中国政府のさまざまな海外インフラ整備支援業務に携わってきた。同社が担当する交通インフラ建設プロジェクトは、国家「走出去(海外進出)」計画の重点項目となっている。中国鉄建によると、犠牲となったトップ層3人は、マリ交通部と協力プロジェクトに関して話し合うために、マリを訪れていたという。アフリカ関連業務で頻繁に現地を訪れていた3人は、同社にとって海外市場開拓のキーパーソンだった。
中国鉄建アンゴラ支社の王海珉・総経理は、「犠牲となった3人は、社員全員の尊敬に値する会社のトップであり、弊社海外事業のパイオニアでもあった。彼らを失ったことは、弊社にとって極めて大きな損失だ」と述べた。