2016年9月8日  
 

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日本人翻訳家から見た中国の現代文学 原稿は5回の校正も (2)

人民網日本語版 2015年12月03日16:45

筆者が中国で本を買うときは毎回2冊買う。1冊は自分のため、もう1冊は読者にプレゼントするためだ。これまでに自分で買った本は全てプレゼントした。つまり、日本人の中国現代文学に対する注目度は非常に高いということだ。

翻訳をしていて、本当にたいへんな仕事だと思う。毎日、子供を幼稚園に送り、空いた時間を使って翻訳をしている。時間に余裕があるように思われるかもしれないが、実際には1年に1冊翻訳するのも難しい。最も難しいのは、言葉でなく、理解の違いだ。中国の作家の作品で描かれている状況は、日本の読者が想像する状況と異なることが多い。特に、農村をテーマにした作品は、日本人にとってとりわけ理解しにくい。

北京で暮らしていたころ、筆者は何時間も自転車をこいで、作者が描写している場所やそれに近い場所に行って、その景色や人物を見た。そして、服や動作なども記録して、帰ってからそれを日本語で書き表した。そのようにして初めて、落ち着くことができた。

文字の仕事は重要だ。古代中国では、「校正」のことを「校仇」と呼んだ。「仇」という文字から、不適切な言葉や使い方に対して「憤慨」する気持ちを持たなければならないということを銘記させられる。訳文からそれらを探し出して、完璧な翻訳に仕上げなければならない。


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