中国で大苦戦していることについて、業界関係者は、配給会社のウォルト・ディズニー・カンパニーがマーケティング戦略を間違えたと指摘している。同社は、若者をターゲットに絞り、PR大使として、多くのファンを抱える人気歌手鹿晗(ルハン)を抜擢した。鹿晗のファンが興行収入に貢献する戦略を描いていたのだ。ところが、この作戦は大失敗。鹿晗のファンが映画館に行くことはなかったし、「スター・ウォーズ」ファンの反感も買ってしまった。映画画市場を研究している専門家・蒋勇氏は、「鹿晗のイメージは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』と合わない。ディズニーは選択を間違えた。マーケティングのためのマーケティングという色が鮮明で、反感を買ってしまった。また、プロモーションも上海だけで行い、メディアが集まっている北京には来なかったため、予想した效果が得られなかった」と分析している。
北米では、今回7作目となったスター・ウォーズシリーズは大人気で、前6作のストーリーを誰もが知っている。そのため「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を多くの人が首を長くして待っていた。一方、中国では、ほとんどの人が同シリーズをあまり知らず、高齢者はもちろん、中年層も関心がない。若者も同シリーズに寄せる思いが特に強いわけではなく、結果、中国では大苦戦となったというのが蒋氏の見方だ。
「ディズニーはスター・ウォーズ文化の宣伝に力を注がなかったため、多くの人が『文化のギャップ』を感じ、興味をそそられなかった」。
ある観客は、「前6作を見たことがない。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』だけを見たが、ストーリーが雑然としている。登場人物の行動も滑稽で、『スター・ウォーズ』という感じが全くしない」と不満を漏らした。
「人民網日本語版」2016年1月20日