韓国金融監督院が17日に発表したデータによると、今年2月末現在、中国の投資家が保有する韓国の上場債券の規模は17兆5090億ウォン(1ウォンは約0.10円)に上り、外国人が保有する韓国債券全体の18.1%を占め、世界一の規模だった。
ここ数年、中国人投資家が保有する韓国上場債券が急速に増加している。2012年は10兆7920億ウォンだったのが、15年末は17兆4280億ウォンに増加した。
今年1月末現在、米国人投資家の保有する同債券は18兆470億ウォン、中国人投資家は17兆4360億ウォンで、米国が中国を上回った。2月には米国人投資家が3兆6580億ウォンを売却し、中国人投資家が買い増ししたため順位が逆転。中国人投資家の保有規模は米国の14兆3890億ウォンを3兆ウォン以上上回った。
韓国の中国経済金融研究所の全炳瑞所長は、「中国の韓国上場債券保有規模は増加を続けている。1番に躍進した原因を探ると、中国国内ではまず国が外貨準備の多元化戦略を推進し、海外投資構造を再調整し、投資の組み合わせの多様化を追求したことがある」と述べた。
全所長は続けて、「次に中国は韓国の市場や企業をよく理解しており、アジアの中で韓国経済の規模は相対的に大きく、市場の発展ぶりは相対的に安定し、経常収支の黒字と良好な財政収支が土台となり、国の信用格付けも高い。韓国の上場金融商品の中で、債券市場は収益率が固定されていて、安全性が高い、総じて、中国の韓国金融商品への投資は安全な投資であり、リスクの低い投資だといえる」と述べた。
14年12月1日には、韓国と中国の間でウォンと元の銀行間直接取引が正式にスタートし、韓国のオフショア人民元市場の発展における象徴的な意義をもつ出来事となった。中国からみて、韓国は元と自国通貨との直接取引を実現させた3番目の国になった。韓国銀行(中央銀行)の資本流動分析チームは、「韓中関係のさらなる進展、ウォンと元との直接取引市場の開設により、中国資本の韓国流入がさらに進むことになる」との見方を示す。
韓国の金融証券業界では、「米国から流入する資金が民間のファンドや短期投資が中心であるのと異なり、中国が保有する韓国債券の大部分は政府系のソブリン・ウェルス・ファンドによるもので、投資が長期にわたるという傾向が強く、このことは韓国資本市場の安定性向上にプラスの意義をもつ」との見方が広がる。
全所長は、「中国の海外投資資産のうち、対韓国の割合は大きくない。中国の対韓国資産投資は現在、初歩的な発展段階に足を踏み入れたばかりで、両国の政治、経済貿易、人的・文化交流などの関係が日に日に緊密化することを受けて、これからの成長の潜在力は大きいといえる。建国の経済規模や金融市場の位置づけを踏まえて分析すると、中国は韓国の金融商品を今後さらに買い増しすることが予想される」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年3月18日