▽狭い視野では利益を得られない
百歩譲って西側の基準を機械的に当てはめたとしても、「中国の不良債権問題」は実際にはそれほど大きな問題ではない。データをみると、15年末現在、中国の債務規模の対GDP比は249%、政府債務は44%で、全体としてコントロール可能な状態にある。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の肖煉研究員は、「2000年から2015年にかけて、世界経済は債務を土台として発展してきた。債務は基本的にGDPの3倍以上になり、一部の先進国では3.8倍にもなる。これと比べれば、中国の対外債務は世界で最も少ない部類に入る。また中国のGDP成長率は今でも世界2位をキープし、購買力は世界一だ。これはつまり、中国がもつ問題解決の手段は他国よりも多いということだ」と話す。
ウォッチャーは、「モデル転換・バージョンアップが進行中の中国経済は確かに一連の『痛み』を抱えているが、『好材料』もたくさんあり、ますます増えているといえる。『古い部分』だけを見て『新しい部分』を見ず、『表面』だけを見て『内側』を見ずにいて、中国経済に『定義を下し』たり『ラベルを張っ』たりすれば、それは中国の国情と発展の流れに対する基本的な理解を欠くものと言え、『井戸の中から天井を見上げるような狭い視野』で中国をおとしめ、それによって市場から何らかの利益を得ようという態度にほかならない。しかし、現在の中国経済の規模や勢いや開放レベルを考えれば、一面的な視点はいかなる市場でも主流になることが難しく、これに乗じて思いもよらない利益を得ることなど言うべくもない」と指摘する。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年5月9日