缶入り空気の使用法 |
オーストラリアの農作物や健康食品は近年、中国市場で高い人気を誇る。そんな中国市場に目を付けたオーストラリアのあるスタートアップ企業がこのほど、オーストラリアの新鮮な「缶入り空気」を販売し始めたという。これは中国人消費者の心をつかむことができるのだろうか?環球時報が伝えた。
この企業の共同創立者の一人、ジョン・ディキンソン氏は、缶入り空気販売の目的について、「外国人にもオーストラリアの素晴らしい空気を体験してもらいたかった」と語る。同社はオーストラリアの有名な観光地で採取した空気を缶に詰め、1本18.8オーストラリアドル(約1500円)で販売している。シドニー・モーニング・ヘラルド紙の報道によると、1缶あたり約130回深呼吸ができるというが、1人の人間の1日当たりの呼吸回数は約2万3千回に達する。
同社は、オーストラリアのブルーマウンテンズ、ボンダイビーチ、ヤラ・バレー、タスマニア州など各地で集めた空気を販売している。ディキンソン氏は「それぞれの地点で集めた空気の味は異なる。テストによると、ブルーマウンテンズの空気にはユーカリの香りが、ボンダイビーチの空気には海の塩味が混じっている」と語る。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙によると、同社は缶入り空気をオーストラリアの新しい観光記念品にしようと計画中だ。旅行者はオーストラリアの空気をお土産として家に持って帰ることができる。しかし、大気汚染に悩まされている中国の消費者は、きれいな空気の健康への良い影響に期待しており、同社はすでに中国向けの輸出を始めている。
メディアによると、カナダのあるベンチャー企業もかつてロッキー山脈の新鮮な空気を中国向けに販売し、4日間で500本を売り上げたことがある。しかし、専門家はこの現象を「あまりに滑稽」と一蹴する。空気の有効成分は酸素だが、こうした缶入り空気には酸素濃縮機能がなく、人類が必要なマイナス酸素イオンを提供できない。マイナス酸素イオンは空気浄化などを通じて発生させることができ、はるばる外国から輸送する必要はない。原理から見ても、使用量から見ても、こうした商品は自然界の空気に取って代わることはできない。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年5月3日