【取材】4月に三菱自動車の燃費試験の不正という問題が発覚し、スズキからも同じような問題が出てきた。日本の自動車業界の仕組みに問題があることが分かる。このような状況が続き、自動車大国である日本の産業の発展に深刻な影響が及ぶ可能性はあるのだろうか?日本大学の日吉秀松准教授、中国社会科学院日本研究所の研究員・張季風氏、新華社の東京駐在記者・銭錚さんを取材した。
日吉准教授「消費者の信用を失えば、必ず罰を受ける」
【競争がもたらした不正】品質を保ち、信頼を守るというのが多くの日本企業の目標。しかし、熾烈な競争が繰り広げられ、世界の自動車技術が向上しているのを背景に、自動車メーカーは力を尽くして競争力を保たなければならない。燃費が良く性能の良い自動車はいつでも人気がある。本来、日本の自動車は燃費を良くするために多くの努力を費やしてきた。しかし、熾烈な競争の中で、不正を行うというのはあまりにもまずく、得よりも損のほうが大きい。
【信頼失った自動車メーカー】燃費データ不正問題が次々に明るみになり、消費者の強い不満をもらしたため、自動車メーカーにとっても死活問題となる。現在、三菱自動車は日産自動車の傘下に入ることで交渉を進めており、日産の子会社として再出発したい考えだ。スズキの動きは今後も観察しなければならない。しかし、消費者の信用を失えば、必ず罰を受けるもの。現在、人々は他の自動車メーカーも同様の不正を行っているのではと心配している。
【測定のやり直しを】自動車工業が信頼を取り戻すためには、全ての燃費データを測定しなおし、本当のデータを示して消費者を安心させなければならない。検査を担当する国土交通省も、自動車メーカーが提出したデータをそのまま受け取るのではなく、実験して検証すべきだ。