さらにアベノミクスが掲げている「新三本の矢」についても、張所長補佐は楽観視していない。「アベノミクスが掲げるインフラ指標、財政目標、経済成長率のいずれもがほぼ実現不可能となっている。『新三本の矢』では2021年には国内総生産(GDP)を600兆円に拡大することを目指している。この目標は実現不可能と言わざるを得ない。なぜなら、この目標を実現するには、日本の実質経済成長率は2%に達しなければならず、名目成長率も3%の達成が必要となる。しかし、現在の日本経済はほぼゼロ成長となっており、今後も高い成長率となる可能性は極めて低い。また、『新三本の矢』では出生率1.8の達成実現を目標としているが、現在の日本の女性の就労環境や養育施設、福利待遇や家庭経済の条件などから見て、この目標も実現はできないだろう」との見解を示した。
張所長補佐は日本の経済問題は長年蓄積されてきた構造的な問題であり、アベノミクスは日本経済の構造的な問題に対してはほぼ何も作用を及ぼしていない点を指摘し、少なくとも現在までの段階において、アベノミクスは機能不全であり、予想された成果をあげていないとした。そして「アベノミクスは短期的な目標のほかにも、長期的な経済成長率や財政の再建、国民一人当たりの所得など多くの中長期目標を掲げているが、現状を見る限り、これらの目標はいずれも実現が不可能または実現が非常に難しい」と語った。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年5月26日