日本銀行(中央銀行)は今年1月、企業投資と個人投資を喚起し、デフレの泥沼から抜け出すために、マイナス金利政策を打ち出した。商業銀行などの金融機関が日銀に預金する際のコストを引き上げることによって、商業銀行の企業・個人への貸し出しを促し、ひいては経済活性化の目的を達成しようとする政策だ。
だがこれまでのところ、マイナス金利をはじめとする金融緩和政策は実際には思ったほどの効果を上げていない。一連のマイナス影響が出始めており、日本の内閣府の景気の基調判断は引き続き「足踏みを示している」だ。
▽効果と期待が反比例
マイナス金利政策は「停滞」する日本経済を改善できていない。日銀が今月9日に発表した3月の金融政策決定会合の議事要旨によると、出席した数人の委員から、マイナス金利導入に伴う負の影響が表れているとの認識が示され、具体的な影響が指摘された。
内閣府が11日に発表した速報値の統計法億によると、3月の景気動向指数の一致指数は111.2ポイント(p)で、前月比0.5p上昇し、2カ月ぶりに改善したが、景気の基調判断は引き続き「足踏みを示している」だった。
足踏みする様子はまず、個人消費の意欲が持続的に低下していることに表れている。内閣府の9日に発表した消費動向調査によれば、2人以上の世帯の消費者態度指数は前月比0.9p低下して40.8pとなり、2カ月連続で低下した。一般的な世帯が金利の低下を受けて不動産市場や株式市場に資金を投入するということはなく、逆に銀行に預けると金利を取られることを心配して、保険を買って家に置いておくという人が増えている。
足踏みの様子は次に、企業の投資意欲の低迷に表れている。「アベノミクス」はトヨタなどの輸出型大企業に過去最高の利益をもたらし、日本企業が保有する現金は3年前より18%増加して、248兆円になり、日本の国内総生産(GDP)の50%に相当する数字になったが、今年の春闘では企業のベースアップは予想の半分にとどまった。