銀聯は現在、国内唯一の銀行カード決済機関であり、取引範囲は消費の決済、日常的な料金の支払い、振替や送金、ATMでの現金引き出しなど多岐にわたり、銀行カードによる目に見えない決済は人々の日常生活と実に深く結びついている。
だが海外のカード機関も人民元建て決済を行う資格を得られるようになれば、カード保有者は今後、海外に行かなくとも、国内のPOS端末でビザやマスターを利用できるようになる。「支付宝」(アリペイ)カードなどが登場する可能性もあり、手数料やサービスの内容で選ばれるかどうかが決まる。
金融情報サイト・融360の劉銀平アナリスト(銀行業)は、「市場が開放されると、各カード機関がこぞって同じ舞台に立つようになり、豊富な優待をうち出して、自社の銀行カードを作るよう促すようになることは確実だ。カードの利用に対してより多くのより大きな優遇をうち出す可能性もある。人民元建て決済市場の開放により、銀行カード決済市場は徐々に競争が盛んになり、カードを持つ人にとってみれば、選択肢が増えるだけでなく、享受できる恩恵がより多くなることを意味する」と指摘する。
業界関係者は、「銀聯はカード保有者を増やして銀聯カードを利用してもらうようにするため、商店と協力して『カード利用による割引』などの優遇キャンペーンをより多くうち出し、キャッシュバックなどで利用者を引きつけようとするだろう」と分析する。