不動産市場が活発になるのにともない、不動産賃貸市場にも新たな波が押し寄せている。国家統計局がこのほど発表した最新のデータによると、不動産の賃料が7カ月連続で上昇しており、8月の前月比上昇幅も0.4%上昇と高い水準になったという。これまでは、卒業・就職シーズンが終わりに近づくと、主要人気都市の賃貸市場も徐々に安定に向かうというのが慣例だったが、売買市場が引き続き活発で、有効な調整措置が打ち出されない中、賃料が今後の物価バスケットにおける新たな不安定要因になる可能性があるという。「北京商報」が伝えた。
今年の正月の前後には、大都市の出稼ぎ労働者が相次いで帰郷し、賃貸市場は一度は需要が低迷して、新規賃貸物件も減少傾向をみせた。だが新たな年が始まり、春節(旧正月、今年は2月8日)が終わると帰郷した人が大量にUターンし、全国主要賃貸市場では賃料が徐々に上昇して、最終的に高い水準に達した。
生活情報サービスの58同城がこのほど発表した「2016年上半期不動産賃貸市場報告」によると、今年上半期には大都市における貸出ニーズと不動産賃貸ニーズの規模がいずれも拡大した。一線都市の上海、北京、深センでは住宅1戸あたりの平均家賃が4千元(1元は約15.2円)に達し、うち上海は5133.91元と大陸部で最も家賃が高い都市になった。不動産市場がさまざまな表情をみせるように、上海や北京などの超大都市と二線都市や三線都市との間では家賃に大きな開きがある。全体としてみると、二線・三線都市の家賃は2千~3千元で、上海は多くの二線・三線都市の2~3倍に達する。
大学が集まる地域の一つ・北京では、毎年卒業シーズンになると、賃料が一気に跳ね上がる。市内の家賃平均は2010年7月の1平方メートルあたり47.2元が、15年7月には同72.8元に上昇し、上昇幅は54.2%に達した。今年の北京の新卒生は24万人と過去7年間で最も多く、賃貸ニーズのある新卒生の数もますます多くなり、家賃の値上がりに拍車を掛けた。
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