時の流れに消えていく他のシンガーソングライターと違い、ボブ・ディランは、一種の現象となり、まさにレジェンドとして神話を作って来た。数えきれないほどのフォーク系シンガーソングライターがいる中、ボブ・ディランが突出した存在となっているのは、音楽がすばらしいだけでなく、その独特のスタイルのおかげだ。詩人としての才能をその音楽に盛り込み、音楽を通して心の声を伝える。それが新たな詩的表現となり、誰にも真似できない成功を生み出した。
10年以上も「受賞者候補」とされている日本の作家・村上春樹は、今回もボブ・ディランに受賞を譲ったが、この結果は決して不思議なことではない。村上春樹も音楽が好きで、ジャズファンであるが、「時代」に負けてしまった。人はいつでも時代の産物であり、ボブ・ディランが、激しく揺れ動く、熱く反抗的な時代の中で心の声を表現する「詩人」として、それを音楽に乗せて世界で戦ってきた存在とするならば、村上春樹はジャズバーで文学の夢を見ている学生にすぎない。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年10月14日
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