中国科学技術大学が発表した情報によると、同校の杜江峰院士が率いる研究チームはこのほど、量子制御の研究で重要な進展を実現した。チームのメンバーである栄星氏、耿建培氏らは固体スピンシステム内で量子制御の時間最適化を実現した。物理学の国際的に権威ある学術誌「フィジカル・レビュー・レターズ」が、この研究成果を掲載した。新華社が伝えた。
量子制御は現代量子科学の基礎で、量子計算、量子精密測量などの分野において重要な意義を持つ。「時間最適化」とは科学研究分野で用いられる専門用語で、私たちが日常生活で口にする「最速」のことだ。「量子制御の時間最適化」とは、最短時間で量子システムを目標の状態にすることだ。例えば「速く多く高品質」の量子ビット操作によって、真の量子計算が実現される。
杜氏が率いるチームは有名量子学者の王暁霆氏と協力し、普遍的量子制御を実現する時間最適化の方法を開発し、ダイヤモンド中の「NV中心」での実験に成功した。研究結果によると、単一ビットにせよ2つのビットにせよ、その操作精度は99%に達し、操作時間も通常の方法より大幅に短縮された。
この研究は時間最適化の手段による正確な量子制御の実現可能性を証明し、複数ビット量子システムの時間最適化の基礎を固めた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年10月27日
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