非営利組織(NPO)の米中関係全国委員会(NCUSCR)と米国海外投資コンサルタント会社のロディウムグループが17日に上海で発表した報告によると、2015年の中国の対米直接投資が150億ドル(約1兆6500億円)を超え、初めて米国の対中投資を上回り、双方向の投資が中米関係において、重要な位置を占めるようになっていることが明らかになった。 新華社が報じた。
1999年から2015年の25年間の中米直接投資にスポットを当てた同報告によると、同期間、米国の対中国直接投資は累計2280億ドル(約25兆800億円)に達した一方、中国の対米直接投資は640億ドル(約7兆400億円)だった。米国の対中直接投資は中国の対米直接投資の3.56倍であるものの、近年はその動向が逆転している。
報告によると、米国の対中投資は08年に210億ドル(約2兆3100億円)とピークに達したのを最後に減少し始め、年間平均130億ドル(約1兆4300億円)にまで落ち込んでいる。それに対して、中国の対米直接投資は11-15年の間、毎年平均30%のペースで増加し、08年の10億ドル(約1100億円)未満から15年には150億ドルに激増した。16年にはさらに増加し、250-300億ドル(約2兆7500-3兆3000億円)に達すると見込まれている。
同報告は、中国の経済成長の速度や経済構造の変化の速度が他の主なエコノミーをはるかに上回っており、それが中国の対米直接投資が初めて米国の対中国投資を上回る結果を引き出したと分析している。中国の対米直接投資は、企業のM&Aが中心で「グリーンフィールド投資」ではない。また、投資者は国有企業から私営企業へと移り変わっている。
同報告の作者の一人であるロディウムグループの経済学者・ティロ・ヘインマン氏は、「中米両国の投資関係は、多くの人が考えているより緊密で、この種の互恵投資は貿易による安定した収益を大きく上回る収益をもたらしている。そのような関係は婚姻関係のようなもので、双方が継続的に交流し、永続的な約束をしなければならない」との見方を示す。
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