中国人民銀行(中央銀行)は21日、米国初の人民元決済銀行として、中国銀行ニューヨーク支店を指名したと発表した。上海証券報が報じた。
これは人民元の国際化において、大きな一歩となる。その他、10月1日からは、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨になる。人民元の国際化は現在、どれほど進み、今後どの方向へ向かっていくのだろう。人民元高が止まり、人民元安に転じている今、各国が人民元資産を所有する原動力はどこから来ているのだろう?
人民元高がストップ
各国が人民元を欲しがるのはなぜなのだろう?2014年の上半期ならその答えは非常に簡単で、「中・長期にわたって人民元高」となっていたからだ。中国は01年に世界貿易機関(WTO)に加盟して以降、比較的短期間のうちに世界最大の貨物貿易大国となった。その過程で、中国は大量の外貨を貯え、その額は一時約4兆ドル(約400兆円)に達した。人民元も、ゆっくりではあるものの継続的かつ安定して価値を高めていたのだ。
当時、各国にとっては、「人民元資産を枕の下に置いておいても価値が高まる」という状況だった。しかし、14年上半期から、長期にわたった人民元高の勢いが止まり、昨年8月11日の人民元切下げ以降、人民元安の予想が非常に高まった。それでも、各国には人民元資産を所有する原動力があるのだろうか?
この点に関して、中国人民銀行貨幣政策二司の周誠君・副司長は、「SWIFT(国際銀行間金融通信協会)の統計によると、5月末の時点で、人民元の世界における受容性は、2年前の約18%から36%以上に上昇した。つまり、ここ数年は人民元安の予想と傾向にあり、人民元を売却する機構もあるものの、人民元の世界における受容性は2倍以上になっているということ」と説明する。
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