中国科学院南京地質古生物研究所が発表した情報によると、中国と米国の複数の学者で構成される科学研究チームが最新の研究において、中国で最も古い鳥類で、今から1億3000万年前の孔子鳥の化石の羽毛から、初めてβカロチンを発見したことが明らかになった。βカロチンは鳥類の羽毛の色素体の構造識別と密接に関連していることから、今回の新発見が原始的な鳥類や毛のある恐竜など古生物の実際の色を復元するための新しい重要な証拠をもたらした。関連研究成果は22日、世界トップクラスの科学誌「米国科学アカデミー紀要」(電子版)に掲載された。新華社が伝えた。
鳥類の羽毛にはさまざまな色があるが、これは羽毛に含まれる色を示す細胞構造「色素体」が主な原因だ。古生物学者は80−90年代に、鳥類の化石の羽毛から色素体に似た構造を見つけていたが、当時の人々はこの構造が化石の形成中に混入した「細菌」だったと判断した。米国や中国などの多くの古生物学者は21世紀以降、当時「細菌」と判断されたものが、古代の鳥類の色素体である可能性が高いという仮説を打ち出した。
研究チームは、孔子鳥の化石の羽毛サンプル8件を電子顕微鏡で観察し、生化学分析を行った。その結果、化石の羽毛にβカロチンが残留していることが分かった。研究者はさまざまな化学・分子技術及び方法を化石の研究に初めて応用し、詳細な比較対照を行った結果、現在の鳥の羽毛の色素体と類似することが分かった。化石の羽毛の「色素体に類似する構造」は、同じくβカロチンに包まれており、細菌の構造とは大きく異なる。研究者はそこから、これまで物議を醸していた「色素体に類似する構造」が確かに細菌ではなく、古代の鳥類の色素体であると判断した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年11月24日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn